
あらすじ
ノーベル文学賞作家による永遠の名作。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。「無為の孤独」を非情に守る青年・島村と、雪国の芸者・駒子の純情。魂が触れあう様を具に描き、人生の哀しさ美しさをうたったノーベル文学賞作家の名作。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
川端康成初読みになります。
新潟の温泉街を舞台に描かれる密かな恋物語。
冒頭の文章はとても有名ですね。
情景描写が丁寧で雪国の空気感がひしひしと伝わってきます。
島村と駒子の揺れ動く心の機微は、読んでいてとても楽しくてそして歯痒い。
島村は夢のような生活をしている。妻子もいる。葉子の存在。
駒子との関係。踏み切れない呵責。
曖昧な態度は女性側からすればヤキモキするであろうが、男性なら大小差はあれど理解は出来る若しくはしてしまうのではないだろうか。
その繊細な揺れを書けるのが素晴らしいと感じました。最後の曖昧な終わり方。
台詞を巡れど色々な解釈が生まれる。これが川端文学か。