あらすじ
恐竜の生き残りでもある鳥は、種によっては人間の幼児と同等の高い知能と喜怒哀楽の豊かな感情を持ち、ヒトとの共通点が多い生き物でもある。
生態や行動をはじめ、言語獲得やコミュニケーションなど人間の能力とも密接につながる鳥の奥深さ・魅力を自然科学と人文科学の両面から多角的に見つめ、
(春秋社より)
恐竜から進化を遂げた「鳥」と、まったく異なる進化の歴史を旅した「ヒト」がなぜ似ているのかを探り、
そこから発展的に「人間とは何か」という問いに答えようとする一冊。
感想・レビュー
鳥について少し興味があり、読んでみました。
かつて鳥の祖先は、恐竜だった。そういう視点からのアプローチは非常に興味深く読ませて頂きましたし、面白かったです。
あとは鳥の生態系などを割と深く掘り下げてくれたりもして、すごく勉強になりました。
序章から全10章ほどを、図面や絵などもありながらわかりやすく教えてくれます。
私は本書をきっかけに、まず鳥の賢さに驚きました。
鳥が人間よりも劣っているなど考えたこともありませんでしたが、こんなにも色々なことを理解し、生きているのだな、関心しましたね。
もちろん野生と飼われている、という環境下では、全く別の動物に見えてしまいますが、著者さんは、それも本来持っていた鳥の素質だ、と言っているのもなるほどな、と思えました。
人間以外の動物に少しずつ興味が出てきているように自分でも感じていて、これから他の本や映像などを見ていきたいと思います。
鳥という生き物がどれだけのことができて、できないのか。人間がどれだけのことができて、できないのか。
あらすじにもある「人間とは何か」という、最後の問いも、各々で考えて見つけていければいいと思います。
私は鳥以前に、そもそも動物を家庭で飼ったことはありません(憧れはある)。
友人がインコを飼っていて、そのとき「インコと一緒に遊んでいた」という言葉にあまり理解できませんでしたが、本書を読んで、何となく想像は少しできるようになりましたね。
今度から外を歩く時、様々な鳥の動きを見ようと思います。
終盤辺り、著者さんの「鳥」への熱い思いも伝わってきました。
是非とも興味のある方は、一度通読してみはいかがでしょうか。
本書の発行は2016年となっていますので、それまでの研究データーを元に書かれています。