あらすじ
東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。
ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。
それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。
友情、恋、性、暴力、病気、死。
出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。
第129回直木賞受賞作。
(新潮社より)
感想・レビュー
第129回直木賞受賞作品、第一回(2004)本屋大賞第6位ノミネート
石田衣良さんは初読みですね。
有名なデビュー作「池袋ウエストゲートパーク」とどっちを先に読むのか迷いましたが、とりあえず本作から。
まずタイトルがオシャレですよね。4TEENって、内容にもリンクしていますし。センスを感じます。
今思えば名前も石田衣良(石平)という感じなんでしょうか?笑
さて、本作は全八編の短編集です。
舞台は埋立地の月島に住む中学生四人組のお話。
自転車、ウェルナー症候群、援交、ゲイ、破天荒な中学生心理、父親を殺す、夜の新宿遊びと野宿、他色々、、
とても中学生を扱う題材とは思えない組み合わせだが、これが石田衣良流なのかもしれないと思いました。
このアンビバレンスさと元来の中学生らしさが混じり合い、とても面白いです。
だが純粋な友情は裏切らないというか、これも一種の現実と幻のようで、どこか理想的、理想形なのかなぁとも思ったり。
東京の住む子どもたちも似たりよったりで似たような感覚な気もするし、月島という銀座がすぐにあるエリアと足立区や荒川区郊外で生まれ育つ者たちの感覚は少し違うのかもしれない。
その辺りも興味深く読めました。
比喩表現が少し春樹チックで流石に過ぎな気もするが、簡潔な東京描写、感性含めて全然見過ごせる内容だったかのように思えます。
眩しいだけじゃない、やはり青春は良いものだなぁと思いました。
直木賞もこういう作品あるんだなぁと少し驚きました。もっと色々と読んでみようと思います。
何より著者はこれをデビュー作後にすぐに書いた(一編だけ)というのがやはり才能を感じます。
機会があれば「池袋ウエストゲートパーク」や「娼年」辺りも読んでみたいなぁと思います。
それではこの辺で。お読み頂きありがとうございました。
ではまた。
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