あらすじ
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
(ポプラ社より)
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
感想・レビュー
第十五回本屋大賞”大賞“受賞作品、このミステリーがすごい!《2018》第八位ノミネート
辻村深月さん初読みになります。
いじめられっ子の引きこもり少女が、鏡の中の世界に足を踏み入れる…。
この展開はルイス・キャロルの不思議の国のアリスの続編にあたる『鏡の国のアリス』のようですね。
そんな物語を途中まで読んであれっ、と不安になった。
ひょっとして著者は、これを一から十まで全部やりきる気なのかしら、と思っていたら全部やりきってしまった。
気になって著者のデビュー経緯を見て、なるほどメフィスト賞かと勝手に納得しました。
少しだけツッコミたい所もありましたが、読み終えてこの力強い作品にはそれも野暮だろうと思えました。
いじめ、ファンタジー、時代の普遍性、思春期、家族と色々贅沢に詰め込まれていて、これを書ききった事に感心します。
特に最後、晶子のアフターが、読後を変える素晴らしい要因だと思えました。
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