
あらすじ
「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。解説・中村文則
(文藝春秋より)
感想・レビュー
第155回芥川賞受賞作、第十四回本屋大賞9位ノミネート
なるほど。確かに時代が持つ普通圧力、同調圧力をこうも文学に溶けさせる力量に恐れ入りました。
主人公の恵子がコンビニ云々の前に小学生時代、喧嘩を止める為にスコップで殴るのが手っ取り早いと思って殴った。
これがもう既にコンビニエンスの始まりなのか。
そう理解してしまう程に無機質な心を持っている。その心こそ作中で表現されるムラにとって異物であり、強姦の対象である。
――普通とは何なのか。
より多くの同族がムラにいればその者は普通となるのか。そんな事を考えさせられる素晴らしい作品でありました。
村田さんはかなり良い目を持っていますね。
中村文則さんの解説も面白いです。
村田沙耶香さんの別作品も何作か気になっているので、いつか読んでみたいですね。
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