制限なし!?異端の新人賞【メフィスト賞】歴代受賞作品を見てみよう!

読書好きの皆様、いかがお過ごしでしょうか。

本日はメフィスト賞の歴代受賞作を見ていこうかなと思います。

私自身もメフィスト賞受賞作品や、受賞作家さんの作品を読むことがあるのですが、とにかく面白い作品が多いです。

今回特集するメフィスト賞は主に、ミステリー系の作品が多めの新人賞ですが、ファンタジー、SF、カテゴリーエラーの作品まで、幅広く排出しています。

受賞作自体は、新人賞なので当然荒削りな部分があるのは、どの新人賞にも共通しますが、とにかく「異端」という言葉が強く残る印象。そんな新人賞です。

そんなメフィスト賞の発端は、1994年にかの有名な小説家である京極夏彦さんが『姑獲鳥の夏』の原稿を持ち込んだことにより、デビューを果たしたことが大きいと言われています。

(のちに京極さんは第0回メフィスト賞と認められました)

以後、第一回の森博嗣さんのデビューを皮切りに(敬称略)、清涼院流水、乾くるみ殊能将之、舞城王太郎、西尾維新辻村深月五十嵐律人などを輩出しました。

そんなメフィスト賞の歴代受賞作品を最新順に見ていきたいと思います。

それでは参りましょう〜

メフィスト賞 歴代受賞作品

年代/回受賞作/著者
第65回(2024年)
死んだ山田と教室
(金子 玲介)
第64回(2023年)
ゴリラ裁判の日
(須藤 古都離)
第63回(2021年)
スイッチ 悪意の実験
(潮谷 験)
第62回(2020年)
法廷遊戯
(五十嵐 律人)
第61回(2020年)
#柚莉愛とかくれんぼ
(真下 みこと)
第60回(2019年)
絞首商會
(夕木 春央)
第59回(2019年)
線は、僕を描く
(砥上 裕將)
第58回(2018年)
異セカイ系
(名倉 編)
第57回(2018年)
人間に向いてない
(黒澤 いづみ)
第56回(2018年)
コンビニなしでは生きられない
(秋保 水菓)
第55回(2018年)
閻魔堂沙羅の推理奇譚
(木元 哉多)
第54回(2017年)
毎年、記憶を失う彼女の救いかた
(望月 拓海)
第53回(2017年)
NO推理、NO探偵?
(柾木 政宗)
第52回(2017年)
誰かが見ている
(宮西 真冬)
第51回(2015年)
恋と禁忌の述語論理
(井上 真偽)
第50回(2014年)
○○○○○○○○殺人事件
(早坂 吝)
第49回(2014年)
渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト
(風森 章羽)
第48回(2013年)
愛の徴 ―天国の方角―
(近本 洋一)
第47回(2013年)
眼球堂の殺人 〜The Book〜
(周木 律)
第46回(2012年)
恋都の狐さん
(北 夏輝)
第45回(2010年)
図書館の魔女
(高田 大介)
第44回(2010年)
琅邪の鬼
(丸山 天寿)
第43回(2010年)
キョウカンカク
(天祢 涼)
第42回(2009年)
プールの底に眠る
(白河 三兎)
第41回(2009年)
虫とりのうた
(赤星 香一郎)
第40回(2009年)
無貌伝 〜双児の子ら〜
(望月 守宮)
第39回(2008年)
マネーロード
(二郎 遊真)
第38回(2008年)
掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南
(輪渡 颯介)
第37回(2008年)
パラダイス・クローズド THANATOS
(汀 こるもの)
第36回(2007年)
ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
(深水 黎一郎)
第35回(2007年)
天帝のはしたなき果実
(古野 まほろ)
第34回(2006年)
少女は踊る暗い腹の中踊る
(岡崎 隼人)
第33回(2005年)
黙過の代償
(森山 赳志)
第32回(2005年)
孤虫症
(真梨 幸子)
第31回(2004年)
冷たい校舎の時は止まる
(辻村 深月)
第30回(2004年)
極限推理コロシアム
(矢野 龍王)
第29回(2003年)
空を見上げる古い歌を口ずさむ
(小路 幸也)
第28回(2003年)
蜜の森の凍える女神
(関田 涙)
第27回(2003年)
フレームアウト
(生垣 真太郎)
第26回(2002年)
死都日本
(石黒 耀)
第25回(2002年)
それでも、警官は微笑う
(日明 恩)
第24回(2002年)
『クロック城』殺人事件
(北山 猛邦)
第23回(2002年)
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
(西尾 維新)
第22回(2001年)
DOOMSDAY―審判の夜―
(津村 巧)
第21回(2001年)
フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人
(佐藤 友哉)
第20回(2001年)
月長石の魔犬
(秋月 涼介)
第19回(2001年)
煙か土か食い物
(舞城 王太郎)
第18回(2000年)
日曜日の沈黙
(石崎 幸二)
第17回(2000年)
火蛾
(古泉 迦十)
第16回(2000年)
ウェディング・ドレス
(黒田 研二)
第15回(2000年)
真っ暗な夜明け
(氷川 透)
第14回(2000年)
UNKNOWN
(古処 誠二)
第13回(1999年)
ハサミ男
(殊能 将之)
第12回(1999年)
ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ
(霧舎 巧)
第11回(1999年)
銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談
(高里 椎奈)
第10回(1999年)
Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム
(中島 望)
第9回(1998年)
QED 百人一首の呪
(高田 崇史)
第8回(1998年)
ダブ(エ)ストン街道
(浅暮 三文)
第7回(1998年)
血塗られた神話
(新堂 冬樹)
第6回(1998年)
歪んだ創世記
(積木 鏡介)
第5回(1998年)
記憶の果て
(浦賀 和宏)
第4回(1998年)
Jの神話
(乾 くるみ)
第3回(1997年)
六枚のとんかつ
(蘇部 健一)
第2回(1996年)
コズミック 世紀末探偵神話
(清涼院 流水)
第1回(1996年)
すべてがFになる
(森 博嗣)
第0回(1994年)
姑獲鳥の夏
(京極 夏彦)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回改めて受賞作品を見ていく中で、こんな作品があったんだ!と新たな発見ができました。

すぐにチェックリストに入れた作品が幾つかあり、また機会があれば読んでみると思います。

読書好きのみなさまも、是非ともこの機会にメフィスト賞受賞作を読んでみてはいかがでししょうか。

ここまで「異端」な受賞作の背景として、新人賞では珍しい原稿枚数に制限がないというのも一つ影響しているのではないかなと思います。(最低枚数だけあるのでご注意!)

私の記憶が正しければですが、過去にメフィスト賞は原稿枚数に制限があった時期もあったと思うのですが、現在(2024年10月)はないみたいです。

これは新人賞では珍しいことで、そもそも長編小説の新人賞というのは、どこも文庫本一冊で面白くまとめられているかのコンテストでもあるのです。

当然、原稿枚数が無制限となれば、審査する側の負担も大きくなりますし、何より無名の新人の本を何冊も売り出せるほど体力がある出版社は現在ほとんどありません。

しかし新人作家は一つ売れれば、長く話(シリーズ)を書くことを求められるという矛盾が多少なりともつきまといます。

しかし世の中には、一冊では収まりきらないけど面白い作品を書く才能を持った人がいます。皆様も何かしらの長いお話の作品を読んだり見たりしたことがあると思います。

そういう才能を取りこぼさない、かつての京極夏彦を取りこぼさなかったのがこの新人賞のすべてなのかもしれません。

是非興味のある方は、ご自分で書かれた小説があれば応募してみるもの良いでしょう。

それでは本日はここまでにしたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

メフィスト賞公式サイト