あらすじ
一家の大黒柱として勤勉に生きてきた青年ザムザ.ある朝目覚めてみると,彼は一匹の毒虫と化していた―.確たる理由もなく,とつぜん一人の青年をおそう状況の変化.その姿をたんたんと即物的に描くカフカ(1883―1924)の筆致は,荒涼たる孤独地獄を私たちに思い知らせてやまない.カフカ生前発表の2篇を収録.(改訳)
(岩波書店より)
感想・レビュー
不条理の文学と言われる有名なカフカ。
ある日、サラリーマンが目が覚ますと毒虫になっていた『変身』と『断食芸人』の二作が収録されていました。
毒虫を通して、人間を、家族を見る恐ろしさはジリジリと現代を、カフカの身の回りを描いているようにも思えました。
断食芸人も面白かった。
生前は宮沢賢治程ではないが、今程有名人ではなかったらしい。カフカ自身、森鷗外のように、創作の時間を捻出するのに苦労した一人だとか。
死後掘り出された『審判』『城』なども読んでみたいです。