あらすじ
太宰の真骨頂、女性の語り口による告白を集めた短編集
「幸福は一夜おくれて来る。幸福は――」多感な女子生徒の一日を描いた「女生徒」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、女性の告白体小説の手法で書かれた14篇を収録。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
「燈籠」「女生徒」「葉桜と魔笛」「皮膚と心」「誰も知らぬ」「きりぎりす」「千代女」「恥」「待つ」「十二月八日」「雪の夜の話」「貨幣」「おさん」「饗応夫人」の14編が収録。
気がつけば太宰も結構読んでいる作家になっていることに気づきました。
やはり魅力のある作家なのでしょう。
そして今作の女太宰は、溜息が出る程の才能を文章から感じます。
私は太宰の「斜陽」が好きなので、とても良い一冊でした。
個人的に「燈籠」「恥」「きりぎりす」「おさん」が良かったです。
「貨幣」などの視点から見えてくる世界も面白いなと思いました。
最後の「饗応夫人」は小説としては凄いですが、戦後という時代背景を考えてもやはりあの横柄な医者たちは好きになれない。奥さんも奥さんもだけど。
また何作か再読してみたいですね。