あらすじ
おとうなんてエラくない! 椎名家の長男・岳は、親をもバカにするナマイキざかりの小学生。プロレスと釣りが大好き、ケンカも1番。そんな息子の成長を描いた愛情物語。(解説/斎藤茂太)
(集英社より)
感想・レビュー
中学生の時に母親に薦められて椎名作品を幾つか読んだ記憶があって、
「哀愁の街に霧が降るのだ」となど久しぶりに読んで見たいなと思い読んでみましたが、ほぼ初めて読んだ感覚でした。
多分この「岳物語」も表紙に見覚えがあるので一度通読はしているかと思います。
そして本作は明るい私小説。
作家の父親とその息子岳が幼稚園の頃から小学校高学年までの成長が描かれる九篇。釣りや旅行をしたり、岳が男の子らしく成長していくのはゆるりと読めて楽しかったです。
なんか理想の男の子の育ち方だなと感じました。
序盤からシングルマザーを好きになる父親には笑ってしまいましたが。奥さんもよく人が出来た人ですし、このバランス感覚がよく出来てる。
というか父親とこんなに仲の良い息子も珍しいのではないかと思えました。いや現実にはいるのでしょうけど、少ないでしょう。
時代背景はザ昭和なので、昭和を知らない私はまたそこも新鮮に読めましたし、自由だなあと。
唯一、岳が坊主にするのを嫌がったのだけは、当時共感していたのか、何故か覚えていました。
おそらく自分も野球していたので似たような環境があったからだと思います。(笑)