
あらすじ
宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女の物語。
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。
共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。
厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。
「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」
イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。
宇宙ものは基本的に好きなので手にとってみた作品。あとガガガ文庫だから変わり種だろうなと思って。
(ガガガ文庫より)
感想・レビュー
第53回星雲賞〈日本部門〉受賞、このライトノベルがすごい!《2018》第四位ノミネート
どうやら宇宙開発競争の冷戦期をモデルに作られているのですが、ラノベではとても新鮮で興味を惹かれまし。
さらにヒロインを吸血鬼としているのがまた新しい。
ただ正直なところ吸血鬼を実験扱いするのは物語のロジックとしては、何かいまいちはまらなかったという印象も感じました。
もしかしたら的なIFな楽しみ方もいいんですが、史実に引っ張られるとどうしても吸血鬼が弊害になってくる。
いっそ仮想宇宙開発に巻き込んだほうがそれはそれで面白くなりそうな気がします。
著者さんには恐ろしい大変さになるとは思いますが。笑
ただ訓練や本格的な環境など含めて雰囲気は楽しめたかと。
やっぱりガガガ文庫は尖っていて色んな作品を読ませてくれるので、ラノベに対する挑戦心だけは全ラノベレーベルの中で一番かなと。
なのでこれからもこの月とライカのような作品を心から待っています。
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