あらすじ
手書き時代の古代から、印刷術が発明され愛書趣味や書物愛が確立したものの規制によって印刷業が危機に瀕した中世、そして飛躍的に発展した近代まで、書物の辿った歴史を明らかにする。
古代エジプトの書記たち、中世ヨーロッパの写本僧、
(創元社より)
グーテンベルク以降の出版人・印刷業者など、
本作りに情熱を傾けた人々の苦闘を描き、「本」の進化の過程をたどる。
感想・レビュー
現在の私達が当たり前のように読んでいる本。
この本がそもそもどのようにして本になったのか。
文字の成り立ちから手書き時代、印刷の歴史と書籍の革命、その軌跡辿っていく、という感じでとても興味深く読ませて頂きました。
まずはじめに、めっちゃくちゃ面白かったです。
資料つきでわかりやすく時代の流れを汲み取れる内容となっており、その時代に欠かせない人物や当時にしかない職業が如何にして現在の書籍に貢献しているのか。
知れば識るほど感心と感謝の念がこみ上げてきました。
何より利益を顧みらずに本に情熱を捧げる人が、世界中にこんなにもいたのだなぁ、そのお陰で今があるのだな、と思えるようにもなりました。
他にも宗教本の歴史や、禁書目録からの特認制度、中世時代の出版制度、著作権、海賊版など、国側が本を統括している、というのもすごく興味深い内容でした。
あと、読んではいけない本を読んだだけで死罪という、恐ろしい時代の空気も味わいながら、本の持つ力みたいなものを感じ取ることができました。
現在では、それが電子書籍などに発展しており、毎日活字本を読む人は少ないです。
いつか18世紀のような本の熱狂の時代が見てみたかったな、と心の底から思うばかりです。
それでは今日はここまで。
本の歴史が気になる方は、一度手にとってみることをオススメできる本だと思います。
お読み頂きありがとうございました。