
あらすじ
取材のために訪れた向島は玉の井の私娼窟で小説家大江匡はお雪という女に出会い,やがて足繁く通うようになる.物語はこうして濹東陋巷を舞台につゆ明けから秋の彼岸までの季節の移り変りとともに美しくも,哀しく展開してゆく.昭和十二年,荷風(一八七九‐一九五九)五十八歳の作.木村荘八の挿絵が興趣をそえる. (解説 竹盛天雄)
(岩波書店より)
感想・レビュー
永井荷風初読みになります。
これはまた素晴らしい作品に出会った。そんな高揚感がありました。
恋ともいいきれない、この言葉にしづらい微妙な関係性が堪らない。
寂しいとも侘しいとも違うような物語の終わり方は言葉に出来ない色があります。
また文体と感性がとても面白く、気づけば読み終わってしまうほど夢中になれました。
読了後ちまちまと生涯を調べてしまう程好きになってしまいました。
是非とも他の作品も読んでみたいです。