あらすじ
詐欺師、強盗、霊魂たち――。ちょっとスピリチュアルな星新一。
マンションの一室。住んでいるのは高利貸しの亭主と占い師の夫人、そして一人娘。そこに金目当ての妙な男たちがやって来て、大騒動が持ち上がる。さらに、死後に人間にとりついてその出来事を皮肉に見守る霊魂たちもからんで……。詐欺師、強盗、霊魂たち――人間界と別次元が交錯する、軽妙なコメディー。会話主体でテンポよく展開、現代の世相と、人間の内面を映し出した異色作。
(新潮社より)
感想・レビュー
不思議な作品でした。
これが星新一さんなのか。
ショートショートの神様とか小松左京と筒井康隆含めてSF御三家?とか名前は、聞いたことあったのですが、今回初めて読みました。
まず本作は、戯曲を小説に落とし込んだようなコメディーという感じでしょうか。
高利貸しと亭主と占い師の妻、そこに一人娘たちの元に色々な人物がやってくる
これを面白くさせるのが一人につき一体の個性ある霊が取り憑いていて、俯瞰しながら当時(昭和)の世相を遠回しに風刺していくのがまさに戯曲だと感じました。
戯曲はシェイクスピアで少し慣れていたので話のテンポもすんなりするする進んでいく過程は、楽しかったです。
あと一人娘の口調、発言、行動が年相応だったり背伸びしていたりと少し可愛い。
また機会があれば有名なショートショートの本とかも読んでみたいですね。