姑獲鳥の夏【あらすじネタバレ感想】鬼才、京極夏彦デビュー作!

あらすじ

この世には不思議なことなど何もないのだよ――古本屋にして陰陽師(おんみょうじ)が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第1弾。

東京・雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院に奇怪な噂が流れる。娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津(えのきづ)らの推理を超え噂は意外な結末へ。京極堂、文庫初登場!

(講談社BOOK倶楽部より)

感想・レビュー

このミステリーがすごい!《1995》第7位ノミネート

実質的にメフィスト賞の発端になった作品だとか。

読んでみて素直に素晴らしい小説でした。

京極夏彦さん初読みなのですが、分厚い文庫本に少し身構えてしまいますね。笑

「姑獲鳥」と書いて「うぶめ」と呼ぶ。

文庫本600頁以上もあるものの、捲る頁が止まらない。なんだこれはと。

これが京極夏彦の本格ミステリであり、デビュー作らしく、シリーズものの第一弾にもなるそうですね。

当時のミステリ界の賛否両論も頷ける程に恐ろしい出来だなと思いました。

陰陽師京極堂は勿論のこと、榎木津探偵、信用できない語り手関口から出てくる登場人物たちがみんな魅力的に見えるのは何故か、分からない。

この戦前から戦後の昭和の雰囲気も含めてとにかく文章を読んでいるのがとても楽しかった小説。

伝記、妖怪チックのトリックが判明した時は思わず「えぇ!?」と声を出してしまいそうになるほど、発想がユニークだなぁと感じました。

ただその伝記チックに理論的、リアリスト的思考が混ざりあったお話でもあるので、そこはミステリだなと。

時代的に森博嗣がこの後に出てくる流れも中々どうして世の中よく出来ているなと思えましたね。

ただこの小説は面白いし、そして何か他の小説にはない感覚的な魅力が潜んでいるようにも思えましたね。

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