あらすじ
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。
彼女は霊媒として死者の言葉を伝えることができる。しかしそこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かう。
一方、巷では連続殺人鬼が人々を脅かしていた。証拠を残さない殺人鬼を追い詰められるのは、翡翠の力のみ。
だが殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた――。
(講談社BOOK倶楽部より)
感想・レビュー
第十七回本屋大賞6位ノミネート、第20回本格ミステリ大賞、このミステリーがすごい!《2020》第一位
相沢沙呼さんの作品は随分と久しぶりのような気がします。
※以後ネタバレ注意。
中盤までは特に面白みのないトリックと、特に面白みのないキャラクターのイチャラブ展開が続いて、貰った印税の九割は募金して下さいとか思っていました、が、が。
4章から一気に終盤にかけて、なるほど。なるほど、なるほど、なるほど。
これは面白いなぁと思わされました。本格ミステリにもまだこんなやり方があるのかと。完全敗北しました。
本気で中盤まではこんな作品が売れるなんてミステリ業界大丈夫か、というのを見事に跳ね返して見せました。
というよりもそう思わせることこそ一つのミスリードになっていて、また面白いです。
サブタイトルの「霊媒探偵」という単語自体が途中まで不明だったのですが、さすが、小説の神様を書くだけはありますね。
今となっては霊媒探偵、なるほど、天晴れですね。笑
読み終わってからは、素直にかっこいいなと思いましたね。
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