あらすじ
クリスマスの前夜、ケチで意地悪なスクルージ爺さんの前に、7年前に死んだはずの共同経営者マーレイの幽霊が現われた。
そしてスクルージは、3人の精霊によって自分の過去・現在・未来の姿を見せられる…。
文豪ディケンズが、クリスマスを舞台に人間の愛と善意をペーソス溢れる筆致で描く世界的名作。
(集英社より)
感想・レビュー
原題:『A Christmas Carol』 翻訳:『中川敏』
メリークリスマス!!
季節的にも少し早いですが、もうすぐクリスマスですしね。笑
チャールズ・ディケンズ作品といえば世界的にも有名な『オリヴァー・ツイスト』や本作の『クリスマス・キャロル』があります。
個人的にも『オリヴァー・ツイスト』を先に読もうと思っていたのですが、家にたまたまあったのが本作だったのでとりあえず読むことに。
本作は1843年、ディケンズが31歳の頃に発表され、イギリスで一躍人気となり、世界に広がっていきました。
そんな感じで、ます読了後の所感としては、軽く楽しめた感じでしょうか。
クリスマスといえば、キリストに礼拝する為の日ですから、どうしても宗教色は強くなりますし、全体的にもそういう流れが多かったかなと。
まぁそこまで激しく物語にのめり込むという内容ではないのですが、ゆったりと夜の読書が出来るような一冊だったかなと思います。
では軽く物語を振り返っていきます。
主人公の「老人・スクルージ」は、すごく利己的に物事を考える卑屈な爺さんで、人情味に欠け、相手を思いやるなんてことはせず、金を稼ぐことだけを考えている。
そんな絵に描いたような嫌な人間スクルージは、かつて「マーレイ」という人と【スクルージ・マーレイ】という共同事業をしておりました。
しかしマーレイは、7年前のクリスマスに亡くなっていました。残っている事務員にも薄給で雇い、クリスマスの休暇を申請するも「次に日は早くこい」など、
スクルージにとって、クリスマスというのはどうでもいいことで、馬鹿たちが騒ぐ不快な日でもありました。
貧しい人々たちの為に寄付を募りに来た人たちに対しても、「監獄や救貧院にでもいけ、死んで余計な人口を減らしてくれたほうがいい」など、毒を吐き続けるスクルージ。
そんなスクルージは、クリスマスを目前に、マーレイの亡霊と3人の精霊に出会います。
マーレイの亡霊は、スクルージに対して、私たちのような人間は死後、悲惨な末路が待っていると警告しました。
そして3人の精霊たちは、スクルージを「過去・現在・未来」へと連れていきます。
スクルージは、精霊たちの旅で、自分の行動がどれだけの人を傷つけているのかを知り、そして自分が死んでも誰も悲しんでいないなどなど、他省略しますが、初めて心を苦しめます。
そこから今までの自分を悔い改め、事務員やその家族、恵まれない子供たち、その他人々たちに対して、人が変わったような接してかたをはじめるのでした。
そして以後、スクルージは誰よりもクリスマスを楽しんだ人になったとさ……おしまい。
というような感じで、ざっくりと振り返りましたが、童話のような感じでもありますね。
冒頭でクリスマスが題材なので、キリスト教色が強い物語だとは書きましたが、まぁそれよりも人として、改めましょうね…というお話でもありましたよね。
結局、序盤のスクルージのような状態って、外が見えてないからそうなるだけで、こうやって精霊の旅で、色々なものが見えるようになったら、人って誰にでも優しくなれるとは、思うんですよね。
人は同情をして初めて反射的創作能力が活動しますから、まぁネガティブな思考を感じとったら、常にポジティブな心持ちに切り替えていくというのが大事なんですかね。
はい、という感じですかね。
クリスマス的なお話が読みたいと思って手に取ったら、少し思ってたのと違うと思われる方もいるかもしれませんが、たまにはこういう教訓的な、自分を見直す作品も良いのかもしれません。
なにせ、150年以上も前の言語が違う人間の創った物語が読めるのですから、個人的にはとても有難い限りです。
それでは、少し早いですが、2023年もイエス・キリスト生誕を祝ってメリークリスマス!!
ではまた。
最後までお読みいただきありがとうございました。