あらすじ
孤独の心を抱いて伊豆の旅に出た一高生は、旅芸人の十四歳の踊り子にいつしか烈しい思慕を寄せる。青春の慕情と感傷が融け合って高い芳香を放つ、著者初期の代表作。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
「伊豆の踊子」「青い海黒い海」「驢馬に乗る妻」「禽獣」「慰霊歌」「二十歳」「むすめごころ」「父母」の八作品と自身が当時書いた伊豆の踊子への想いが収録。
記憶があやふやなのですが、川端康成は二作目かしら。
読めば読む程、染みていく川端文学は、捉え所が非常に難しいものと、分かり易い作品の両方があると思います。
本人もそれを感じているのか、世に愛される作品と、自身が愛する作品の乖離を感じつつ、それでも客観の目を持って書き続け、多くの才を見出した。
様々なジャンルを独特の切り口で書いてこれたのも、大阪で生まれてからすぐに多くの人を失い続け、育った環境と読書が川端文学を作り上げているのかも知れません。
まだまだ底が知れない人。もっと追いかけたい小説家です。